相続対策が本当に必要か(2) 配偶者の相続税額の軽減
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「相続対策として、生前に贈与をしていきましょう」
という記事を書きたいところなのですが、その前に相続税のしくみをザックリとでも知っておけば、本当に贈与が必要かどうかが見えてきます。
なので、相続税について、もうちょっと書いていきたいと思います。
関連相続対策が本当に必要か(1) 相続税額を算出するルールから考えよう
配偶者の相続税額の軽減
被相続人の配偶者に限ってですが、配偶者がもらうことになった相続財産の評価額の合計額が、1億6000万円以下の場合は、相続税がかかりません。
次の具体例で考えてみましょう。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]【復習】亡くなった方を「被相続人」、被相続人の配偶者や子供のことを「相続人」と言います。(被相続人に子供がいない場合は、被相続人の両親、または被相続人の兄弟姉妹が相続人となりますが、ここでは難しい話は置いておきましょう。)[/speech_bubble]
具体例1
相続人は次の3人。
被相続人の配偶者、被相続人の子A、被相続人の子B
遺産総額は2億円、債務は0円。
各相続人が相続した遺産は、次のとおりです。
配偶者 | 1億5000万円 |
A | 2500万円 |
B | 2500万円 |
昨日の復習で、基礎控除額を計算してみましょう。
昨日の記事の算式に当てはめて計算すると、
3000万円+600万円×3人=4800万円
となります。
(今回は使わない数字ですが、復習ということで。。)
相続税額は?
配偶者は、相続した財産から債務を差し引いた金額が1億6000万円以下なので、相続税額は0です。
子A、子Bは、納付する相続税があります。
(今回の目的は、「配偶者の相続税額の軽減」の紹介なので、具体的な相続税額は省略します。)
具体例2
相続人は「具体例1」と同じです。
遺産総額1億6000万円、債務は0円。
各相続人が相続した遺産は、次のとおりです。
配偶者 | 1億6000万円 |
A | 0万円 |
B | 0万円 |
この場合は3人とも、納付すべき相続税額はありません。
(配偶者は、相続した財産から債務を差し引いた金額が1億6000万円です。この金額は1億6000万円以下ですね。)
ただ、実を言いますと、「配偶者の相続税額の軽減」の規定の適用を受けないときは、納付する相続税が出ます。
(まぁ、そんな人はいないでしょうけど。)
少し難しい話しになりますが、“「配偶者の相続税額の軽減」の規定を使うよ”という書類を、相続税の申告書と同時に税務署に提出して、初めてこの規定を受けることができます。
配偶者にすべて相続させる?
上の「具体例2」ですが、1億6000万円を3人で分けた場合は、子Aと子Bは相続税を納めないといけません。
(配偶者は、書類を提出して、税額なしです。)
「具体例2」の被相続人がお父さんだとすれば、配偶者はお母さんです。
子供2人は、いずれお母さんが亡くなったときに、また相続があります。
子供2人の了承は必要ですが、今回の相続について、
「お父さんの遺産はお母さんに全部任せよう。もし残ったら、その時私たちがもらうから。その方が相続税かからないし。」
という話しもありえますよね。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]お父さんが生前に「配偶者の~軽減」を知っていれば、お母さんに全部渡したいと遺言書に書くこともできますね。子供2人にあらかじめそのことを伝えて、2人の納得があれば、もめることも無いでしょう。[/speech_bubble]
おわりに
いかがでしょうか。
なるべく分かりやすく書いたつもりですが、数字が多くなってしまい、簡単ではなかったかも知れません。
難しいと感じたかたは、
『配偶者は、もらった遺産から、引き継いだ借金を差し引いて、その残額が1億6000万円までだったら、配偶者には相続税がかからない』
んだと、これだけ知っておいてください。
【編集後記】
午前中に写真撮影、午後に登録免許税を支払ってきました。
これでようやく、税理士登録のための申請書類一式がそろいました。
明日税理士会館に電話して、書類持参の日時を聞くという流れです。
【昨日の一日一新】
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