遺言書は3種類。でも納税まで見据えたら公正証書遺言です
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遺言書について、今回で二回目です。
前回は、遺言書の作成方法には三つある。
それだけ書きました。
(^_^;)
今回は公正証書遺言をおススメする理由について、カンタンに書かせていただきます。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]山梨県で税理士として開業予定のタナカです。以前、しばらく相続・贈与についてはしばらく書かないと書きました。
でも、ヤメです(笑) 今後はむしろ「中心」に書かせていただきます。[/speech_bubble]
遺言書の作成は3つの方法がある
前にも書きました。
我ながらかなりウスイ内容です。(近いうちに書き直しします…)
(;^ω^)
方法は3つありますが、後に残される人たちのためを本当に思うなら、専門家(税理士)を交えて、公正証書遺言によるべきです。
なぜなら、他の二つの方法による遺言書は、
- 発見されない可能性
- 紙切れになる可能性(無効とみなされる可能性)
- すべての財産について記載されない(一部の財産が漏れる)可能性
- 相続税を高くしてしまう可能性
があるからです。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]相続税を高くしてしまう遺言書の作成をしないためには、納税までにらんで税理士に相談する。作成に税理士を介在させることです。[/speech_bubble]
自筆証書遺言の問題点
その名のとおり、将来「被相続人」となる人が自筆で作成する遺言書です。
自筆が条件ですから、マイクロソフトのWordなどで作ったものはNG。
自分でどのように書けばいいか、書店に並んでいる本を見ながら書けないこともないでしょうけど。。
一番の問題は、小規模宅地等の特例です。
自筆証書遺言は、その中身も存在も、書いた本人しか知らないものです。
税理士が遺言書の作成にかかわっていたら、財産の分けかたから納税まで、相談できたはず。。
(結果、「争続」が避けられるかどうかは別問題ですが。)[/speech_bubble]
秘密証書遺言の問題点
こちらも、一番もったいないことになる可能性が大きいのは、小規模宅地等の特例です。
(作成はワープロでもOKですが、中身は書いた本人以外誰にも分かりません。遺言書の存在だけは、「公証人」と「証人二人」には明らかになります。)
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]自筆証書遺言・秘密証書遺言は、両方とも、遺書を残す本人が自身で内容を考えて作成するもの。
残された人(相続人)の納税まで考えると、あまりおススメできる方法ではないです。[/speech_bubble]
小規模宅地等の特例を意識した遺言書を
小規模宅地等の特例
4つあるのですが、その中で一番多くの人がお世話になる特例居住用宅地等について書きます。
٩( ”ω” )و
自宅建物が立っている土地で、一定の条件を満たしているものを特例居住用宅地等といいまして。
この特例居住用宅地等に該当する土地は、330平方メートルを限度として、評価額を80%減額できます。
その一定の条件について、次の例で紹介します。
被相続人Aさん、相続人はB(配偶者・奥さん)さん・C(長女)さん
【前提】
- BさんはAさんと同一生計だった
- 長女のCさんは、結婚してAさん・Bさんとは別居(Aさんとは別生計)
- Aさんは自宅(建物・土地)をCさんに遺贈する遺言書を残している
奥さんと娘さんだけが相続人。
この状況で遺言書を残すって、あまりないかも知れませんが。
(あくまで例です。)
(;´Д`A “`
【結論】
Cさんが相続によってもらった土地は、特例居住用宅地等になりません。
ということは、8割減額の特例は受けられません。。
【一定の条件】
この例の場合は、Bさんが相続することで、自宅の土地が特例居住用宅地等に該当します。
【特例が適用できる遺言書の作成】
ちょっと無理のある例だったかもしれません。。
ただ、言いたいことは分かっていただけたかと思います。
小規模宅地等の特例を知った上で、さらにその先の納税まで考えた上で遺言書を作成するには、専門家のアドバイスが不可欠です。
実際の作成も、公証人と証人ふたりが同席する、公正証書遺言が良さそうだと言うことがお分かりいただけたでしょうか。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]ちなみに、遺言書が存在しても、遺言がなかったことにすることもできます。この例の場合だと、BさんとCさん二人が「なかったことにしよう」と言えばOKです。
(相続人全員の同意が必要ということです。)
その上で改めて遺産分割協議を行い、Bさんが自宅の土地を取得する。
これで小規模宅地等の特例が使えます。[/speech_bubble]
<’17.4.8追記>特定居住用宅地等をもうちょっと詳しく
配偶者が取得した場合
配偶者が相続で自宅用土地をもらった場合は、無条件でその土地は特定居住用宅地等に該当します。
すぐ売ってしまってもOKです。
配偶者以外の同居の親族が取得した場合
配偶者以外の同居の親族が自宅用土地を相続でもらったときは、次の三つの条件すべてを満たすと、その土地は特定居住用宅地等に該当します。
- 被相続人の死亡の直前に、その被相続人と同居していた親族
- その親族が相続税の申告期限まで引き続きその家に居住
- その親族が相続税の申告期限まで引き続きその土地を所有
被相続人と別居の親族(被相続人の父母など)が取得した場合
例えば被相続人の母親が、被相続人名義の土地と家屋にひとり暮らしをしていたとします。
- その母親が被相続人の死亡後もその家に住み、
- その母親が相続でその土地をもらう
と、その土地は特定居住用宅地等に該当します。
ちなみにこの土地を配偶者がもらうと、やっぱり特定居住用宅地等に該当します。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE_ase.png” name=”タナカ”]被相続人のお母さまの生活はどうなるんだろうという気もしますが…制度上は問題なく、配偶者がもらっても特定居住用宅地等です。[/speech_bubble]
被相続人に配偶者がいない、かつ、同居の法定相続人がいない場合
次の両方に該当すれば、被相続人の子などが相続でもらった被相続人の自宅用土地は特定居住用宅地等に該当します。
- 別居の子供など(=法定相続人)が、被相続人の死亡前3年以内に家(※)を持っていない
- その子供の配偶者も、同じ期間内に家(※)を持っていない
※…被相続人が住んでいた家は除きます。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]特定居住用宅地等の条件、けっこうややこしいですね。
初めて知ったかたは、半分くらいわかっていただければ十分なのかなと。[/speech_bubble]
【編集後記】
ニンテンドースイッチ本体、ひそかにねらっていますが、入荷してもすぐ売り切れますね。
(;´Д`A “`
ネット情報だと、北米分を優先的に作っているのだとか。
まぁ、本体を買ってもその後のソフトの買い方が下手くそなわたしは、買えないほうがいいのかもしれません。
【昨日の一日一新】
SAPIOの小林よしのり氏のマンガ