ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

課税売上割合0分の0は「0%」。消費税の還付は受けられる?

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国税庁の質疑応答事例に興味深いものを見つけました。
それは、
『売上げがまったくのゼロの事業年度に、設備投資だけを行った。消費税の還付、受けられますよね?』
というもの。

答えは、ヘタすると「ゼロ」…です。
一見して、受けられそうなものなのに、

課税売上割合「0分の0」

消費税の課税売上割合というもの。
分子は、「課税売上高+免税売上高」
分母は、「課税売上高+免税売上高+非課税売上高」です。

その事業年度(その年)の売上高がゼロというのであれば、分母も分子もゼロ。
質疑応答事例によれば、この場合、課税売上割合はゼロ%だというのです。

0%<95%

課税売上割合が0%ということは、「95%未満」ということになります。
仕入れの全額控除が受けられませんよと。そういうことになるのですね。

一括比例配分方式

課税売上割合0%で、一括比例配分方式。
こうなっちゃいますと何も引けません。控除対象仕入税額もゼロ。消費税の還付なし。。
悲しい!

個別対応方式

では個別対応方式ならばどうでしょう。
まず「非課税売上に対応する課税仕入れ」。→仕入税額控除できません。
「共通」はどうかといえば、課税売上割合0%ですから。→仕入税額控除できません。

残す1つの『課税売上にのみ要する課税仕入れ』ならば、仕入税額控除できます。
そういう設備投資にかかったお金であれば、その分の消費税は還付の申告ができます。

「課税売上割合に準ずる割合」なら?

「一括比例配分方式」や「個別対応方式の共通仕入れ」は、課税売上割合に代えて、『課税売上割合に準ずる割合』を使うことができます。
ただし、事前に、税務署長に申請書を提出していることが要件ですけれど。。

「準ずる割合」が使えれば、
●「一括比例配分方式」でも、準ずる割合分、消費税の還付が受けられます。
●「個別対応方式」も、「共通仕入れ」がゼロではなくなり、還付額が増えます。

前提は「休業して設備投資した年」

この質疑応答事例の前提は、
「仕事を休みにして、設備投資だけした1年」
というものでした。

この1年(1事業年度)はお金を支払ってばかりですから、「消費税が返ってくる!」と思いがち。
しかし実際は上に書いたとおりです。

Writer|山梨県の税理士 田中雅樹

●お客さまの担当者はタナカです。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●FM-FUJIラジオ出演(1年に1回ペース)、ブログは毎日。

 

本日記

2021年も残すところ半月。
今年の勉強は今年のうちにと思っています。

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