リニア用地買収で事業中断。青色事業専従者給与は必要経費になる?
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「青色事業専従者給与」について、ちょっと細かいことを書きます。
家族に支払う給料
個人事業主が「同じ財布で生活している家族※」に給料を支払った場合、原則的には必要経費となりません。
とはいえ、家族の事業を家族が手伝うのはフツーにあること。
そこで、「青色事業専従者給与*」というものが用意されています。
用語
※・・専門用語で「生計を一にする親族」なんて言い方をします。
*・・「専従者給与」については、今回の記事では省略します。
青色事業専従者給与が必要経費になる条件
国税庁のタックスアンサー【No.2075青色事業専従者給与と事業専従者控除】によりますと、青色事業専従者給与とは次のものです。
- 青色事業専従者に支払われた給与であること
- 「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること
青色事業専従者とは、次のいずれにも該当する人をいいます。
- 青色申告者と生計を一にする「配偶者」か生計を一にする「他の親族」
- その年の12月31日時点で年齢が15歳以上であること
- その年を通じて6か月を超える期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること
少々長いものになりますが、一読しておいて損はありません。
事業がストップしたら「6か月を超え」られる?
リニア鉄道事業に関わる用地買収が、関係する各県で行われています。
代わりの場所が見つかるまで、「仕事がストップした(する)」個人事業主のかたもおられるでしょう。
その場合、青色事業専従者給与の条件の1つである
「その年を通じて6か月を超える期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること」
は、どうなるのでしょうか。
たとえば、影響を受けて「今年は5か月しか稼働できなかったなぁ…」なんて場合は。。
稼働期間の半分を超えていればOK
実は「その年を通じて6か月を超える期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること」には、例外的な取り扱いが用意されています。
所得税の質疑応答事例【年の中途で事業に従事した親族に係る青色事業専従者給与】によりますと、『その年中で従事可能な期間の2分の1を超えて従事していればOK』。
上の例の「5か月」であれば「2か月と半」超の期間、従事していればOKです。
休業中の青色事業専従者給与は?
さてもう1つ、上の例で気になる点があります。それは休業中の青色事業専従者給与は必要経費になるのか? ということです。
休業中といったって生活がありますから、給料はほしいもの。
支払うほうとすれば、支払ったからには経費にしたいものです。
…が、残念ながらこれはNG。
所得税の質疑応答事例【区画整理事業により休業する期間の青色事業専従者給与】に、次のような一文がありました。
休業期間中に支払われる青色事業専従者給与の額は、労務の対価としての性質を有していないので必要経費に算入されません。
「2分の1超」と合わせて、こちらも知っておきたいですね。
Writer|山梨県の税理士 田中雅樹
●お客さまの担当者はタナカです。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●FM-FUJIラジオ出演(1年に1回ペース)、ブログは毎日。
本日記
気象庁的にはちがうのかもしれませんが、体感、甲府盆地で初雪でした。
こんな日は灯油ストーブが一番です。
こんな日じゃなくても使っておりますけれどね。
昨日の1日1つ
●円皮鍼
●腱鞘炎の鍼治療
●東野&吉田のほっとけない人
今日のラジオ
●火曜キックス
●佐久間宣行のオールナイトニッポン0(過去のもの)