ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

消防団の格差。団員報酬に税金かけることが難しい理由。

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消防団員の報酬に所得税をかけましょうという動きから一転。
やはり従来どおり「おおむねかけません」となりました。

地域格差がある

消防団って、市町村ごとに「団」が置かれます。
その「団」を地区ごとに分け、分けた単位が「分団」だったり「部」です。
(「部」が最小の単位)

で、この単位ごとに、お財布事情がけっこう違います。
地区から活動費をもらっている部があれば、まったくもらえない部もあって。
もらっている部は団員報酬がすべて団員の懐に入るんですね。

たまーに見る、
『消防団は地域のお金で飲みに行ったり風俗行ったり、最低な組織』
という文言。
まぁそういうところもあるのかも知れません。
しかし私の知る限り、そういう「遊び」は個人の行動です。お金の出どころも個人。
一部だけのことで全部がそう思われてしまうのは、非常に遺憾であります。。

非課税は「もらえない部」に合わせたもの

というわけでして、なかなか一律にルールを定めるわけにいきません。
合わせるとすれば、活動費を団員報酬でまかなっている人たちになるでしょう。

多くがサラリーマンである

そして消防団員のほとんどはサラリーマンです。
給与所得者ですから、1年間の税金の計算は会社がやってくれる「年末調整」で済みます。

そこにもし消防団員報酬が入ってきたら、団員報酬が「給与所得」であれ何であれ、確定申告が必要ということになってしまいます。
ただでさえ減少傾向にある消防団員です。
そんな負担が求められるということを知れば、ますます人は集まらないでしょう。

やるには手間が大きい

さらに、市町村役場の負担も大きくなります。
税金をかけるということは、市町村役場は源泉徴収しないといけません。
源泉徴収票もすべての団員に渡さないといけません。

もうなんか損ばっかりじゃない?…ということがお分かりいただけるかと思います。

ただし火事は減っている(おまけ)

消防団員が減っていることについては、必ずしも否定的に考える必要はありません。
だって火事、起こらないですもの。
本職の消防の方々だって現場経験が薄いといわれる時代ですよ。

その代わりと書くのもどうかと思いますが、水害は増えています。
「水防団」が置かれていない限り、水害の現場でも動く消防団ですが。。
実際のところ、消防団というのはフツーの人です。ボランティアであって、仕事ではありません。
消防団員が被災してしまえば、自分や家族のことが最優先になります。
このあたりの誤解といいますか、知ってもらえていないのがツラいところですねぇ。

Writer|田中雅樹(税理士)

●担当者はタナカ本人。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●FM-FUJIラジオ出演(1年に1回ペース)、ブログは毎日。

 

本日記

『同志少女よ、敵を撃て』をAudibleで聞いています。
きれい事が一切通用しないといったらいいのでしょうか。
この時代の日本にいられることがいかに幸運かと思うばかりです。

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