簡易インボイスに名前をもらうな！

 

「簡易適格請求書」（以下「簡易インボイス」と書きます）とよばれるものがあります。
簡易インボイスとは、こちら（買い手）の名前を書かずに発行される領収書のこと。
これに（下手に）名前をもらってはいけません。

 

従業員が立て替え

現場系の仕事でたまに見る従業員の立て替え払い。

1. 現場でちょっとした材料や工具の持ち合わせがない
2. ホームセンターなどで従業員が購入
3. 帰社後（あるいは後日）経理部などが清算

というやつですね。

 

簡易インボイス

このホームセンターが発行する領収書（レシート）には買い手の名前はありません。
もちろんミスではありません。
インボイスには必要なはずなのですが、簡易インボイスには不要だからです。

これ、スーパーですとかタクシーですとか、いちいちお客さんに名前を聞かない「業」を営んでいるインボイス登録事業者だけに認められています。

 

下手に名前をもらってしまう？

『2023年11月30日 税のしるべ電子版・【Ｑ62】宛名に立替払いをした従業員名が記載された簡易インボイスの取扱い』
に、立て替え払いをした従業員が簡易インボイスに名前をもらってしまった場合どうするの？…という事例の紹介が。

もらった名前が「会社」名なら問題ないのでしょうが、従業員の名前だと面倒です。
そもそも簡易インボイスなのだから名前は要らないのに、丁寧だと思ってもらったのか、はたまた発行する店側の人が書いてしまったのか。

税のしるべによれば、従業員がその会社に在籍していることが確認できれば仕入税額控除OK。
とはいえ、余計なことをしてしまったせいで、一手間かけてしまう・ヒヤリとしてしまうことは避けたいものでございます。

Writer｜田中雅樹（税理士）

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当（2019年4月～）
●FM-FUJIラジオ出演（1年に1回ペース）、ブログは毎日。