石破さんの「法人税上げる余地」はどうなのか

 

自民党総裁選をにらみ、候補者の一人である石破茂さんが出た言葉
「法人税は引き上げる余地がある」
ってどうなのでしょう。
総理大臣といえども、そうそう簡単な話ではないと思います。

 

法人税は伊達に安くなったわけではない

日本の法人税、昔に比べずいぶん安くなりました。
これについては時おり
「金持ち優遇だ！」
なんて話が出ますが、そうではありません。
世界に合わせた税率であって、【国内の優良企業が外に出ていってしまわないようにする】ためでもあります。

もはや勝手に変えられない

世界には税率ゼロ％の国がありまして、そういった国は租税回避につかわれます。
ゼロ％にする側としては、優良企業を呼び込むことに繋がったり、お金持ちに移住してもらおうとか、それなりの目論見があります。

ゼロ％ではない日本としては、ゼロ％である国を利用した租税回避をさせない措置を講じているわけですが。
同時に、主に先進諸国と足並みを揃えています。

そんな訳ですから石破さん、そうそう簡単じゃないことを口にして「わたしは弱者の味方」みたいなこと。
ちょっとどうかと思いました。

Writer｜田中雅樹（税理士）

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当（2019年4月～）
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演（東京地方税理士会広報活動）
●ブログは毎日