人はなぜ粉飾をし,なぜ税金をおおく支払うのか(税務弘報2022.10号)
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雑誌「税務弘報」の連載、【創の駆け込み相談所】が大好きです。
2022年10月号は、所得税確定申告の粉飾(過大申告)についてでした。
なぜわざわざ税金をおおく支払う?
ドラマ(原作でもいいのですが)「半沢直樹」では、粉飾というワードがたびたび登場します。
株主や銀行に、企業の業績を実際よりもよく見せる行為ですね。
売上を実際より大きくするとか、
仕入れなどの経費を実際より小さくするとか、
そういったことをして利益(所得)を大きくするのです。
そうしますと税金がたくさんかかります。
実際はそんなに儲かっていないのに、儲かったふりをする代償も大きいですね。。
しかしそうするだけのメリット(と書いていいのか…)はあって、
●株主がよろこぶ
●新たに株主になろうとする人が現れる
●銀行の評価が上がって、さらに資金を引っぱれる
といったものです。
個人が粉飾するメリット
通常(というのもオカシイですが…)、粉飾をするのは会社です。
個人がすることは滅多にありません。
(会社が滅多にするかどうかは知らずに書いていますが…)
それでもするメリットは、まず銀行(金融機関)でしょうか。
お金持ちにお金を貸したいというのは、会社だろうが個人だろうが、それ以外のなんらかの組織であろうが、銀行の本当のところでしょうから。
それ以外には、個人事業を法人化する(=会社にする)際、出資者になってくれそうな人や会社があって、そこにアピールするためでしょうか。
2022年10月号の同連載記事に登場する「駆け込んだ人」は、そこまではよかった。
でも、その後にやってくる住民税や国民健康保険(粉飾によっていつもより多額になっている)の支払いに参ってしまって相談にやってきたようです。
おいしいところを持っていき、損しそうになったら無かったことにしようとする。。
なんとも納得しがたい話ではありますが、粉飾した罰則規定は法人税法にしかなく。
所得税の場合は更正の請求がとおってしまうんですね…。
粉飾は終わりの始まり
でもですよ。そんなに世の中甘くはありません。
結局はもちませんから。
一度ついたウソはその後もずっとつかねばならず、膨らんだウソには無理があります。
半沢直樹のような超優秀な銀行マンにも小さなウソは見破られないでしょうが、それは最初のうち(小さなうち)だけです。
いつかは本来の数字に戻すから…
なんて思っているとしても、ウソを覆した上で「よい数字」というのは敷居が相当に高いです。
自らの首をしめるようなことは、やめときましょうね。
Writer|田中雅樹(税理士)
●担当者はタナカ本人。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●FM-FUJIラジオ出演(1年に1回ペース)、ブログは毎日。
本日記
夜のうちに台風が行ってしまったかと思いきや、午前中、残ったシッポが強風を残していきました。
私用で出かけようと思ったのですがキャンセルして。。
このようにして空いた時間? は、ちょっと気合いが入って何かできます。
昨日の1日1つ
●パルクール日本選手権 in羽田空港(2021)
今日のラジオ
●アンガールズのジャンピン