退職所得控除みなおし? 転職に影響があるかは疑問。
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2023年4月12日、岸田首相が
“労働移動の円滑化を阻害しているとの指摘のある退職所得課税制度について見直しを行う”
と明言したそうです。
(「2023年04月24日 税のしるべ電子版」より)
いやー。
転職したことがない人の言い分ですなぁw
(政権批判じゃありません念のため…)
以下、本題は退職所得控除についてです。
退職所得控除(現行)
退職金というやつには、税金(所得税)がかかりにくくなっています。
というのも、退職金にダイレクトに税金がかかる(税率をかける)のではないからです。
ダイレクトにかからないのは「退職所得控除」というものがあるからで、その「控除」の額は次のとおり。
- 勤続年数20年以下:勤続年数×20万円
- 勤続年数20年超:800万円+(勤続年数ー20年)×70万円
たとえば21年働いた会社を辞めて1000万円の退職金をもらったら、
1000万円ー{800万円+(21-20)×70万円}=130万円
に税金がかかります。
あ、いやいや、もう1つ忘れていました。
この「130万円」を2で割った「65万円」に税率を掛け算します。
しかもこの「65万円」は他の所得と合算しません。
結果、低い税率が適用されやすくなります。
(このブロック最後の2行は分からなくても問題ありません。所得の通算のはなしは難しいですから。)
退職所得控除/改正案
見直し意見の1つとして、20年以下かどうかという線引を撤廃して、退職所得控除を1年あたり60万円にするというものがあったようです。
「線引き撤廃すれば、人の異動がおこるんじゃーありませんか?」
ということのようです。
いやいや…、社会人人生(なんて言葉はないかも知れませんが…)を退職金中心に考える人なんてそんなにいませんて。。
ましてそこにかかる税金なんてさ。
Writer|田中雅樹(税理士)
●担当者はタナカ本人。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●FM-FUJIラジオ出演(1年に1回ペース)、ブログは毎日。
本日記
真夏日(←2日前ですが)からの20度は寒いですねえ。
また厚めの毛布を引っ張り出さにゃ。。
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