自己金融効果のウソ
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固定資産は減価償却というものを通じて経費になります。
そういった固定資産のことを減価償却資産なんて呼んだりしますが、これには「自己金融効果」があるという言い伝えが。。
減価償却は複数年に渡る
税務上、車両の法定耐用年数は6年。
仕事につかう200万円の新車を買ったとすると、その200万円は、6年間に渡って経費になります。
これは「買った年だけ車をつかうわけではない」という考え方です。
翌年も、翌々年も、なんならもっと使うでしょ? というわけです。
だから複数年にわたって経費にしましょうよと。
自己金融効果?
車をローンで買うこともあるでしょうが、ここでは買った時点で全額支払ったとします。
そうなると、2年目以降は支払いがない。しかし経費は計上されます。
経費が計上されるということは、「計上された経費×税率」分の税金をおさえる効果が。
2年目以降支出なし、でも税金は減る…。お金がたまる!?
…ということで、自己金融効果なんてカッコつけた名称が付けられたようですが。。
頭のいい人が考えることはよく分かりません。
資金繰り上はローンのほうが
この自己金融効果。
1年目は200万円も支払ったのに、経費は1年目の期間分しか経費になっていません。そのことを完全に無視した名称です。
資金繰り的にはどうかといえば、ローンのほうがよい可能性が出てきます。
定率法という減価償却の計算方法であれば、車が新しいうちはたくさん経費が計上できます。
ローンの返済額のほうが小さいうちは、現金一括よりもお得になるでしょう。
(資金繰りを考えた場合には。)
不要なものは買わない
その昔、中古ベンツで節税をはかろう!なんてウソみたいなことを言っている時代がありました。
中古だと法定耐用年数が短くなるので、ベンツに支払ったお金が早めに経費になるのです。
だから、税金を支払うことになりそうな年は、中古ベンツを買ってしまおうと。
ベンツを営業車にしてはいけないなんてルールはどこにもありません。
フェラーリは絶対ダメ!…なんてことも、税務署はいえません。
だからといって、本当に買ってしまうのも違います。
問題は、それが本当に必要かどうか。
自己金融効果なんてものが本当にあるかどうかなんてどうでもよく、目先の税金のために要らない車を買うのも違います。
節税のために利益を生まないものを買ってしまう行為は、それこそ損です。
所得(≒利益)がたくさん出ると税金も高額になるわけですが、ムダなものを買うことに比べたらよほどお金がたまります。
自己金融効果なんてものは、実質的には存在しない効果? といえるでしょうね。
Writer|田中雅樹(税理士)
●担当者はタナカ本人。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●FM-FUJIラジオ出演(1年に1回ペース)、ブログは毎日。
本日記
昼前くらいからずっと雨。
久しぶりにちょっとだけ冬の装いでした。
昨日の1日1つ
●身延山IC-in、早川下部温泉IC-out
●図書カードNEXTネットギフトで電子書籍を買う
今日のラジオ
●吉住の聞かん坊な煩悩ガール