全経法人税法|益金・損金・所得の計算 のキソ。
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全20回で「法人税法のキソ」をお伝えする新連載です。
『全経・法人税法3級』程度の内容になりますが、1級・2級の受験を考えているかたにも基礎固めとして活用していただけます。
では第1回、はりきって行きましょう。
法人税の理論上の「所得」
法人税法において、所得とは、
益金ー損金
(益金・マイナス・損金)
とされています。
(しかしこれ、実は、理論上限定の考え方です。)
法人税の「所得」の計算方法
一方で、法人税の所得の、実際の計算方法に関しては、
「一般に公正妥当と認められた会計処理の基準」にしたがって計算された利益、
つまり
収益ー費用=利益
で計算される「利益」に、一定の調整をすることで所得を計算しなさいと、法人税法はいっています。
以上をカンタンにまとめますと、次のようになります。
- 理論上は「益金ー損金=所得」です
- でも実際に所得を求めるときは「利益±調整」で計算してください
利益(P/Lの税引後) |
(+)加算調整 |
(ー)減算調整 |
所得金額 |
では「調整」とは何なのか。
次回以降のブロックで見ていきましょう。
収入±「調整」→益金
「収益」に調整額を加減算して「益金」を求めるイメージは次のとおりです。
青枠が会社で計算した「収入」、
赤枠が法人税法の「益金」です。
青枠・赤枠が重なった部分は調整の必要はありませんが、
重なっていない部分については調整(加減算)を行います。
重なっていない部分の青枠を削り(減算)、
重なっていない部分の赤枠を足して(加算して)やることで、
赤枠、つまり「益金」の額が算出できます。
費用±「調整」→益金
「費用」に調整額を加減算して「損金」を求めるイメージは次のとおりです。
青枠が会社で計算した「費用」(損金経理)、
赤枠が法人税法の「益金」です。
青枠・赤枠が重なった部分は調整の必要はありませんが、
重なっていない部分については調整(加減算)を行います。
重なっていない部分の青枠を削り(費用を削るので「加算調整」)、
重なっていない部分の赤枠を足す(費用を足すので「減算調整」する)ことで、
赤枠、つまり「損金」の額が算出できます。
「利益」に4パターンの「調整」を ± する
- 「収益」と「益金」のズレ→2パターン
- 「費用」と「損金」のズレ→2パターン
を紹介しました。
合わせて4パターンのズレを「利益」に 加算し・減算する ことで、法人税の所得を計算することになります。
(法人税申告書の「別表四」という書類で計算を行います。)
根っこであり、幹
今回の内容は、法人税法の根っこであり幹である部分です。
初見で「ぜんぶ腑に落ちた!」
…というワケにはいかないでしょう。
まずはじっくり図をながめて、じっくり考えてみましょう。
そして事あるごとに戻って、個別論点を学習する際にも図を意識。
自身でじっくり考えることが理解の近道です。
【次回】全経法人税法|収益認識のキソ。
Writer|山梨県の税理士 田中雅樹
●税理士試験・税法合格科目:法人税法、消費税法、相続税法、国税徴収法
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当(2019年4月~)
●他にもFM-FUJIラジオ出演、ブログなどを通じ、身近な税を分かりやすく届けている
本日記
スポーツクラブ休館続行で、ステッパーでカロリー消費も続行です。
学校のオンライン講義も続行なので、その準備などをしました。
昨日の1日ひとつ
- Switchのゲームソフトをエンディングまで(ドラクエXI)
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